SE構法とは、鉄骨造や鉄筋コンクリート造で用いる接合部を剛接合とする構造体(ラーメン構造)を木造住宅に取り入れた、耐震性と耐久性に優れた構法のことです。
今回は、柱や壁の少ない開放的な「自由度の高い空間」と、大きな揺れにも負けない「優れた耐震性」を同時に実現可能なこの構法について、詳しい技術のお話も交えてご紹介します!
1.まずSE構法とは?
2.SE構法のメリットとは?
・木造住宅最大の大空間・大開口
3.考え抜かれた構造と技術
【ポイント1】最高水準の構造用集成材
【ポイント2】構造用合板による剛性の高い壁・床
【ポイント3】壁強度は一般在来工法の3.5枚分
【ポイント4】専用金物による強固に接合した骨組み
【ポイント5】「構造計算」による数値の裏付け
・東日本大震災でも倒壊ゼロ
4.パッシブデザインや狭小地との関係
・パッシブデザインとの関係
・阪神間の狭小地にも
5.まとめ
1.まずSE構法とは?
ラーメン構造という言葉をご存じでしょうか。
ラーメン構造とは、主に鉄骨造や鉄筋コンクリート造で使われる構造形式で、強固な構造躯体として知られています。
SE構法とは、このラーメン構造を木造住宅に取り入れた次世代の構造。
従来の木造に比べて自由度の高い空間が実現可能であり、耐震性にも優れた住宅構造です。
2.SE構法のメリットとは?
SE構法のメリットの一つは、壁や柱が少なくても耐震性の高い空間がつくれるというところです。
これにより可能になるのが、木造住宅最大の大空間、大開口です。
SE構法では、木造住宅では困難とされている柱間の距離9mを可能にしています。
スパンが9mというのは、上のイラストのように車3台が止まるビルトインガレージを柱なしでつくれる大きさです。
この特徴を生かすことで、大きな窓や開放感のある吹き抜けなど、自由度の高い様々な空間を計画することができます。
木造の美しさはそのまま、大胆な構造を可能にし、耐震性とも両立する。
それがSE構法の大きなメリットです。
3.考え抜かれた構造と技術
では、自由度の高い空間が耐震性と両立可能な理由はどこにあるのでしょうか。
いくつかのポイントに分けてご紹介します。
【ポイント1】最高水準の構造用集成材
天然木材の長所をそのままに、反り、ねじれ、割れ、伸縮などの欠点を克服し、飛躍的な強度を実現した構造用集成材を採用。
また、シックハウス症候群の原因の一つであるホルムアルデヒドの放射量がほとんどない「F★★★★」等級の集成材を使用しています。
【ポイント2】構造用合板による剛性の高い壁・床
耐力壁への性能において最も重要な「せん断強度」の基準が明確で性能の高い「JAS特類1級構造用合板」(厚さ9mmの場合のみ)を標準採用。
高強度の耐力壁とラーメン構造を組み合わせることで、高い自由度と強い耐震性を持ち、コストパフォーマンスにも優れたバランスの良い構造躯体をつくることができます。
【ポイント3】壁強度は一般在来工法の3.5枚分
一般的な在来軸組工法では、建物に加わる横向きの力を、筋交いによって強さを補っている壁で支えていますが、SE構法の耐力壁はそれら3.5枚分の耐力を1枚のみで担保できます。
つまり、同じ壁量なら3.5倍地震に強い家になり、同じ強さなら1/3.5に壁量を減らして開放的な空間をつくることが可能です。
【ポイント4】専用金物による強固に接合した骨組み
断面欠損の少ないSE金物により柱と梁を接合することで、揺るぎのない骨組みを実現。
また、主要な柱を基礎と直接接合しているため、横揺れによる引き抜き耐力は最大24.4t。
従来の金物の5倍もの力を発揮します。
また、金物は100年後も同じ強さを維持することが、約600時間かけた塩水噴霧試験により証明されています。
【ポイント5】「構造計算」による数値の裏付け
ビル・マンションなどの鉄骨・鉄筋コンクリート造と同様、大きな地震や台風にも耐えられるよう、専門の構造設計士が様々な角度から数値的に計算をして、木材や金物を決めていく「構造計算」を実施しています。
また、「耐震等級」についても最高等級を取得可能です。
このように高性能な素材と構造計算により、地震に負けない強さを実現したのがSE構法なのです。
・東日本大震災でも倒壊ゼロ
「東日本大震災」においてSE構法で建てられた住宅は倒壊ゼロ。
内外装などに多少の損害を受けた建物はありましたが、主要構造部において地震動による被害を受けた建物はなかったことが確認されています。
4.パッシブデザインや狭小地との関係
SE構法の空間設計は、パッシブデザインや狭小地の計画にも生かせます。
・パッシブデザインとの関係
SE構法によって可能になる大きな窓や吹き抜け。
これらはパッシブデザインにおいても重要な要素のひとつです。
窓を大きく計画することで、太陽熱をより利用しやすくなり、気持ちの良い風も通り抜ける過ごしやすい家になります。
また、吹き抜けによる温度差換気や昼光利用なども可能です。
パッシブ設計とSE構法を組み合わせることにより、より快適に、安心して住める住宅になります。
・阪神間の狭小地にも
兵庫や大阪をはじめとした阪神間は、狭小地が多いという特徴があります。
狭小地を建てる際のテーマとして重要なのは、狭さを感じさせない計画や室内への採光です。
SE構法であれば、壁や柱が少ない広がりのある開放的なリビングや、吹き抜けや高窓から有効な採光を設計することが可能です。
5.まとめ
SE構法は、専門の技術者が在籍し一定の技術水準を有する建築会社により施工される、高水準の構法です。
木造でありながら従来の木造にないメリットを持つSE構法に、是非注目してみてはいかがでしょうか。
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